黒色春日和

ダーティな思いつきをキューティにお届け☆

Lazy Queen

彼女は結婚してからというもの、すっかり動かなくなってしまった。

私は彼女を動かそうと色々と画策してみたがどれも無駄だった。

彼女は毎朝私に向かってこう言う。

「おはよう今日も私の人生はあなたのもので私のものではない」

その発言は私の交感神経を刺激するには十分すぎるほどの威力を秘めていてどれだけ睡眠時間が短ろうが一気に目が覚めてしまうのだった。

 

別れればまた以前のようにちゃんと動く彼女になるのだろうと心の中では思っているもののなかなか別れを切り出せないでいる。

なぜなら洗濯機の横に積まれた洗濯待ちの衣類の山、台所を占拠する皿コップ箸その他諸々のChaos、部屋と廊下全体を薄く白に染め上げる埃が私や彼女の怠惰を絶えず糾弾しており、それらは私に生活上の困難を突きつけ2人での解決を強要している。

 

ある日、彼女がノートのメモをしていた。

こっそり覗いたらこんな文字列が書かれていた。

「2727827993790879872992799740892799749….…」

私はちょっと安心した。